置き配に関する使用細則を定める際のポイント(国土交通省、令和7年3月25日)
(2025/4/1)
物流業界の「2024年問題」が現実となる中、マンション管理組合として直面する課題と対応策についてお伝えします。トラックドライバーの労働時間規制強化により物流の停滞が懸念される今、政府が推進する「置き配」の普及促進はマンション管理において避けて通れない検討事項となっています。
国土交通省から示された「置き配に関する使用細則を定める際のポイント」を活用し、消防法に配慮しながらも、居住者・配送業者双方にとって効率的な宅配システムを導入することが求められています。令和7年4月から施行される物流関連法規への対応も視野に入れながら、管理組合として今すぐ取り組むべき置き配推進のポイントをご紹介します。
物流業界の2024年問題
令和6年4月からトラックドライバーに時間外労働の上限規制が適用される一方、人手不足の中で、何も対策を講じなければ物流の停滞が生じかねない
置き配に関する使用細則を定める際のポイント
(国土交通省、令和6年6月7日)
- 置き配サービスを活用して宅配物を配達させることができる時間帯、宅配物及び宅配物を収納・保管するもの(以下「宅配物等」という。)を置くことが可能な場所等について具体的に定められていること。
例)●時~●時の間のみ置き配サービスを利用できることが可能、専有部分の玄関前のみ置くことが可能、通行や避難の妨げになる場所へ置くことを禁止、設備の破損が生じる恐れのある場所へ置くことを禁止 など - 宅配物等を所定の場所に留め置くことができる期間等について具体的に定められていること。
例)配達日当日中まで留め置くことが可能、24時間以上放置することを禁止など - 置き配サービスを利用できない宅配物が具体的に定められていること。
例)衛生的に問題となるもの、臭気を発するもの、発火・引火・爆発等の危険性があるものの禁止など - 使用細則に定めるルールに違反する場合の対応について具体的に定められていること。
例)管理組合は違反する宅配物等を確認した場合は、置き配による宅配サービスを依頼した者へ引き取りまたは是正対応を求めることができ、その求めに応じない場合は宅配物等を移動等することができる など - 置き配サービスの依頼及び宅配物等の管理に関する責任の所在が定められていること。
例)区分所有者等は、置き配サービスの依頼及び宅配物等の管理を自らの責任で行うものとし、管理組合やマンション管理業者は、一切の責任を負わない など - なお、消防法に基づき、廊下、階段、避難口等に避難上の支障となるような状態での宅配物の放置を禁止していること。
この規定の適否については、個別の廊下、階段等の幅や形状等に応じて判断することになるが、例えば、宅配物などで避難の支障とならない少量又は小規模の私物を暫定的に置く場合は、当該規定に抵触するものではないと一般的に考えられる(国土交通省コメント)。